2023/01/29

2023/1/18 RBC  活動報告 " 鬼の本 " ~ 岡本実千世

節分が近いので今回のテーマは “鬼”。ブックトーク形式で3冊の紹介です。書誌事項・目次等の資料(下記※)に沿って、作品紹介や音読をしました。
 以前の例会で昔話『桃太郎』を扱った時にも感じたことですが、鬼は少々気の毒な面があります。異形・異質な存在として人間社会から排斥されたり、理由もなく攻撃を受けたり…。資料の②・③は、そんな哀切を感じさせる物語です。「鬼ばば」も「島ひきおに」も、強い大きな体躯で底なしの寂しんぼう。中学生になって間もない頃に読んだ①の、切ないもどかしさに通底するようで、一緒に取り上げました。(出逢いから半世紀、この本は私にとって未だに謎が多く魅力的。ホントに変テコだなぁ…と思いつつ、読み返してしまうんです。)②の主人公は、飢餓の果てに「べろりとお父を食い、赤子ともども飢えをしのいだ」後、その一人子さえ青海原の彼方へ投げ捨てて小さな島に一人で生きる「おばば」壮絶です。だけど、いろいろ海から拾っては情をかけ…ぐすんっ💦③少々浪花節、悲しい話です。これらとは別に『それからのおにがしま』川崎洋 作/国松エリカ絵(岩崎書店)2004.2 など、「めでたしめでたし」の結末もあるようです。鬼、もっと知りたい! 奥深い !!
※〈 RBC 2023.1.18 資料 〉              
1 『淋しい おさかな - 別役実童話集』(三一書房)1973.8
NHKの幼児番組「おはなし こんにちは」のための書き下ろし(童話22編)
2 『鬼ばばの島』今井恭子 文、阿部結 絵(小学館)2021.9
第一話 やっかいなもん、ひろうてしもた
第二話 とんでもないもん、ひろうてしもた
第三話 なさけないもん、ひろうてしもた
第四話 うっとうしいもん、ひろうてしもた
3 『島ひきおに』山下 明生(はるお)文、梶山俊夫 絵(偕成社)1973.2