2023/09/18

2023/9/8 響遊 紹介本の感想

皆さんが紹介された本についての感想を述べます。いつも勝手な感想を吐露してすみません。毎回皆さんの発表を拝聴してワクワクなのですが、9月8日はまた胸がいっぱいになりました。

Tさんは、谷崎源氏の『花散里』まで読まれたとのこと、感動でいっぱいになりました。60年近い月日を経てあの本がどんなにか喜んでいることでしょう。

Y(ゆ)さんの本語りは大人たちはいつもドキドキしながら喜びにいっぱいなりながら聴いております。昨夜は私は違う世界にいざなわれゆさぶられ新しい発見をしました。

Aさん、とうとう芥川賞おしめしくださった。がーんとなり私はどーんとおもいました。よし、読むぞう、でもせつないだろうなぁ。いや、読む。

Oさん、「古事記」やったぁ、面白い、これも読みます、絶対に、すきな話で満ち溢れてるもんね。

I(く)さん、なんども聴き、また読みもした向田邦子さんの父もの?ですが昨夜はなぜか「・・殿」の箇所の響きに、私は亡父をこの夜は思い出さずにはおられなくなって、強烈でした。わが身80歳の夏「父さーん」って。

Hさんの「戦争は女の顔をしていない」は、今を生きる我々が考えなければならない今を真剣に問うてくるんです。今は戦後ではないぞ、戦前なんだぞって話しかけてきた高校時代のT君、あなたも80歳になったよね。

I(り)さんの「辻村もと子」さん、あの時代にほんとうに学んで、でもどうしてあんなに早く亡くなるなんて、父上はいかばかりのお悲しみだったでしょう。馬追方面に行く機会に出会うとしっかりおもいだします。Iりさんの選本というか女性の生き方への「目」に心動かされます。

秋の気配を感じる夜の「響遊」、有り難い一時でした。

(記:山田)

2023/9/8 響遊 活動報告

 📖 紹介された作品   ※発表順、敬称略


■T:『潤一郎訳 新々源氏物語』紫式部 著、谷崎潤一郎 訳(中央公論新社)1966

🔼「花散里」(巻一 第十一帖)を朗読。この女性の人柄、素敵です。

■Yゆ:『まだ人を殺していません』小林由香(幻冬舎)2021

🔼 題名 ドキッ 「最初コワかったけど…1日に3回読んじゃった。」

■Yり:『田辺聖子の小倉百人一首』(角川文庫版)← 一部朗読

🔼 先月に引き続き『足利義満』を読んでいます。

 まちライブラリーでの「百人一首」読書会についても企画中…

■A:『ハンチバック』市川沙央「文藝春秋」2023年9月号

 第169回芥川賞受賞時の小川洋子選評を朗読。背景いろいろ…

■O:『口訳 古事記』町田康(講談社)2023.4~「八岐大蛇」朗読

🔼 関西弁パワー炸裂!『古事記 完全講義』竹田恒康もオススメ

■Iく:『教科書名短篇―家族の時間』(中公文庫)2021

🔼「字のない葉書」(向田邦子)を朗読。菊池寛の「形」も良い!!

■H:『戦争は女の顔をしていない』スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ(岩波現代文庫)

🔼 ベラルーシのインタビュー記録作品。1985年刊。

■Iり:『馬追原野』辻村もと子(長沼町教育委員会)1993 - 初版 1942   

🔼 第1回樋口一葉賞受賞作。長沼町のマオイ文学台からの眺望も紹介。

  (記:岡 本)


2023/8/29 RBC 活動報告

  8月も終わりだというのに今年の夏は暑いです。

「夏の夜のちょっと涼しくなる話」で耳から涼しさを感じてみました

「雨月物語」より 青頭巾  著者:上田秋成 プレゼンター:山田

「怪 談」より  雪 女  著者:小泉八雲 プレゼンター:上村


2023/08/13

2023/8/11 響遊 活動報告

 📖 紹介された作品   ※発表順、敬称略


■ H:『祖国とは国語』藤原正彦(新潮文庫)2006 - 初版 2003

🔼 同著者の『若き数学者のアメリカ』、五木寛之との関連から読んだエッセイ。母・藤原ていの満州引き揚げ体験や小学校での英語教育とか、興味深い内容。

 ■ U:『川のほとりに立つ者は』寺地はるな(双葉社)2022

🔼 タイトルに込められた意味、登場人物が抱えている普段表面に出てこない問題について、謎解きのようにストーリーが展開します。人間関係って難しいけれど希望も感じるエンディング。

 ■O:『口訳 古事記』町田康(講談社)2023.4 → 次回 読みますっ!!

🔼 現存最古の公文書である日本古代神話を過激な関西弁で現代語訳 💧 神様の話、こんなんでいいのっ!? 面白すぎます…。

 ■Yり:『足利義満』森茂暁(角川選書)2023.4

 🔼 今読んでいる途中ですが、歴史学者の文章に苦戦… → 次回!!

■ A:『人は成熟するにつれて若くなる』ヘルマン・ヘッセ著、V.ミヒェルス編、岡田朝雄 訳(草思社)1995 

🔼 「老いる」という詩を朗読。表紙の写真(喜寿ころ?)がいい! 中学生の時、感想文の課題として読んだ『車輪の下』についても紹介。

■ Yゆ:『はぐちさん4』くらっぺ(祥伝社)2018

🔼 追分町図書館員からの紹介、「4コマ漫画でこんな感動するなんて!!」とのこと。無料試し読みチェックしたところ、かなり癒やされます。謎の生き物カワイイ💜 

■ T:『だれのせい?』ダビデ・カリ作、レジーナ・ルック-トゥーンペレ絵、ヤマザキマリ訳( green seed books )2023.2

🔼 可愛らしく繊細な絵、今日的なメッセージを感じる大人の絵本。

■ Iり: 『真空地帯』野間宏(岩波文庫版)2017 - 初版 1952   

🔼 三浦綾子『銃口』朗読会で参考文献として出遭った作品。戦争の悲惨さを痛感。

■ Iく:『詞華集 生きていてほしいんです-戦争と平和』田中和雄 編(童話屋)2009

🔼 谷川俊太郎「願い」、向井孝「記録1」、高橋みき(小6)「戦争」を朗読。

(記:岡 本)


2023/07/17

2023/7/14 響遊 活動報告

 📖 紹介された作品   ※発表順、敬称略

■Yり:日本の歴史史話や古典への関心から、次回は怪談を読みたい…

■O:『一年一組せんせいあのね-こどものつぶやきセレクション』鹿島和夫 選、ヨシタケシンスケ絵(理論社)2023.5

  🔼 1981年初版リメイク。子どもの感性・言葉が今もスゴク新鮮 !! 

■ Iく:『帆立の詫び状 てんやわんや編』新川帆立(幻冬舎文庫)2023.2

  🔼 1991年生まれ東大法学部卒の弁護士、小説家としてもスピードデビュー&ドラマ化→大ヒット!!…スーパー女子の赤裸々エッセイ~「イケてる女性への道」を朗読。

■ A:『収容所から来た遺書』辺見じゅん(文春文庫)1992.6 

  🔼 映画化された感動のノンフィクション作品の紹介と併せて、かつて勤務していた高齢者施設での戦争に関する聞き書きを朗読。

■ Iり: ①『むずかしいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く』永六輔(毎日新聞社)2014.1   

   ②『無名人のひとりごと』永六輔(金曜日)2013.2

   🔼 ①の書名は井上ひさしの座右の銘から。②軽妙なエッセイに思わずクスリ…。

■ T:『草枕』夏目漱石

   🔼「別段食いたくはない」と言いつつ、羊羹の美について大絶賛!さすが文豪…。“とらや”HPでも「珠玉の名文」と紹介されてます。

■ Yゆ:『光のとこにいてね』一穂ミチ(文藝春秋)2022.11

   🔼 中学校司書のススメで464頁を2日で読了(止まらない!!)。独特の表現も魅力的で、他の作品も読んでみたい。

■ H:『青春の門』五木寛之(講談社)第1~9部 初版1970~

  🔼 著者は九州出身だが、作品の半分ほどは北海道が舞台になっていて興味深い。1969年の「週刊現代」連載開始から50年余り、完結が近いようだ。

  (記:岡 本)

2023/06/20

2023/6/9 響遊 活動報告

 今回の響遊は『同じ一冊の本を皆が読んで感想を述べ合う』という初めての試みの読書会でした。参加者は8名。その様子をお伝えします。

課題の一冊は今村夏子作「むらさきのスカートの女」という、4月の響遊で高橋さんが紹介してくれた本です。

司会進行の池川さんから、作成配布した資料により「今村夏子の紹介」「あらすじ」「視点」「本日の進め方」について説明があった後、座席順に参加者が感想を述べていきました。参加者各位の感想はイニシャル表記で紹介します。

U:本を読むときは何らかの共感を探すが、この本は面白かったが全く共感できなかった。エッシャーのだまし絵のような文章だなと思った。風変わりな人、孤独な人を観察している女、最初の印象と違って話はどんどん進んで面白かった。すべてが「わたし」の妄想なのかなと思った。

O:「むらさきのスカートの女」は誰なのかと読者の関心はいくが、書評など読んでみると、「むらさき」と「きいろ」、「スカート」と「カーディガン」は対比なのか、ひょっとして同じ人では?と思うと視点としては面白いと思った。

A:作者の紹介エッセイなど読むと、この「わたし」は作者自身で、作者の中にもう一人の自分を作り上げ一人芝居をさせているようだ。その表現力が芥川賞受賞するほどの力量があったのだろう。これはネバーエンディングストーリー終わりのない物語なのかな。読者がこのストーリーの続きを作っていくのかな。女と男、独身女性、正規非正規雇用の問題、女性社会の格差も感じた。

H:本を手に入れることができず読んでいないが…この作家のように40歳位の若い作家の作品は芥川賞や直木賞受賞と言われて読んでみても人生経験が浅いと思い込みあまり読む気がしなかった。佐藤愛子、瀬戸内寂聴、阿川佐和子などまでだった。が、これを機に若い女性作家の本も読んでみようと思った。

Y:Hさんのお話に同年代として同感、OさんAさんの分析も面白いなと思ったが、私が読んだとき感じたのは登場人物がみんな紋切型だということ。結局、作家の頭の中のことで、だから決まった形なのだと思った。実は今日のために色々考えていたら、NHKテレビの再放送で有吉佐和子さんを取り上げていた。有吉さんが良いということではないが、高校生の頃から揺さぶられていた作品と比べると何だか軽いなと…本の後ろにあった随筆集を読んでしまったからか、近頃の人は家の中で普通の生活をしながら簡単に書き上げる、そして賞も受賞する、それだけ頭が良いのかもしれないが…苦悩して書いていた昔の作家とは違うように思ってしまう。面白いかといえば面白かったが…

ⅠK:1回目読んで「なんだこれ」と思ったが、本の表紙が不気味で(紫のスカートから二人分の足)、その意味が知りたくて読み進んだ。「わたし」と「むらさきのスカートの女」は実在するのか、妄想の世界のことなのかなど色々考えた。そこで今村さんの他の作品を読んでみた。芦田愛菜主演で映画化された「星の子」、河合隼雄物語賞受賞の「あひる」、どちらも表現する視点が違う、不思議、不気味と感じた。そして今日のために2回目、ICレコーダーに録音して音読してみた。そうしたらいっぱい気付きがあって、最後に私は泣きそうになっていた。かわいそう…孤独、経済的にも精神的にも満たされていないけど一人で生きていかなければならない女性の姿が見えてきた気がして…。この作家がなぜ多数の賞を受賞しているのかと考えると、他の人とは違う優れた視点を持っていて、それを文章化する力があるのだと思った。1回目は読みやすい面白いで読んだが、2回目は「かわいそう」という感慨があった。

ⅠR:私も最初は「むらさきのスカートの女」が変な人だと思ったが、それを見ている「わたし」の方が中心なのではないかなと読めてきた。実は「むらさきのスカートの女」は行動力やコミュニケーション能力も優れている。問題は「わたし」の方、友達になりたいのにストーカー的行為や犯罪的な行動など病的な感じさえ受けた。ミステリー的要素もあり面白いというか考えさせられた。私が一番気になった「最後の場面」については後程話すことにします。

T:私も今村夏子さんの本を初めて読んだ。最初読んだ時はさらっと読めたが、いったい「むらさきのスカートの女」は誰なのだろうと疑問ばかり残った。でも表紙の絵はスカートから足が二人分出ているし、同じ人物なのか空想の人物か答えの出ないまま、作者は何が言いたいのかモヤモヤ感で読み終わった。そしてもう一回読んでみたら色々気付きがあった。この本は自分自身が遊び心を持って読んだらスゴク面白いと気付いた。なぜなら「黄色いカーディガンの女」は「むらさきのスカートの女」を観察していて、振り回されているけれど結局は「黄色いカーディガンの女」は主人公の「わたし」で、「わたし」の中で「むらさきのスカートの女」を転がして面白がっている空想の中の物語で、「わたし」が楽しんでいるように思った。最後の場面で、「むらさきのスカートの女」専用のベンチに「わたし」が色々あったのに何も無かったかのように座ってしまう、そのキャラクターが面白いなと思った。

参加者8名から述べられた感想は概ね以上のとおりでした。

この後、残り時間で「最後の場面」についての意見交換、作者のエッセイ等から読み取る作者自身の職歴や作家を目指した背景など語り合いました。初めての試みの読書会、色々な見方ができて色々な意見が聞けたこの本は課題として良かったのではないでしょうか、ということで閉会となりました。(記:石井)


2023/05/27

2023/5/24 RBC 活動報告

  5月24日の読書会では、鴨長明の『方丈記』を紹介しました。

『方丈記』(1212年) 鴨長明 (1155~1216年)浅見和彦 校訂・訳   笠間書院

方丈とは…一丈(約3m)四方の部屋のこと。そこで記したものが方丈記。

〈 方丈記の構成 〉

ゆく河のながれ

安元の大火 (1177年4月 長明 23才)

治承の辻風 (1180年4月 長明26才)

福原への遷都 (1180年6月)

養和の飢饉 (1181年6月 長明 27才)

元暦の大地震 (1185年7月 長明 32才 )

世に従えば、身、苦し

父かたの祖母の家

仮の庵のありやう

山中の景気

仮の庵もややふるさととなりて

手のやつこ、足ののりもの

三界はただ心ひとつ

一期の月かげ かたぶきて


〈 鴨長明が影響を受けた作品 〉

『池亭記(ちていのき)』(982年) 慶滋保胤(よししげのやすたね)作者は長明の親族にあたる人物。平安時代 中期に著した随筆。当時の京の都の世相と京都西部で隠遁生活に入るさまを描く。その生き方と作品に長明は私淑していた。

 〈 夏目漱石と方丈記 〉

 夏目漱石は、帝国大学英文学科時代に教授ディクソンから依頼され、方丈記の英訳を行った。『草枕』の冒頭の処世の世知辛さを感じた時に何処か心安らぐ場所へ移り住みたくなる、という描写は方丈記の影響を感じさせる。  ~山道を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば、窮屈だ。とかく人の世は住みにくい。住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて画ができる~

 明治という時代もまた、維新によって大きな変化がもたらされ、人々の考え方、生き方も変革を迫られた。方丈記に描かれてい天災や政治に人々が翻弄される姿に、漱石は共感を抱いたかもしれない。

  〈 方丈記を読み終えて 〉

 鴨長明の生きた時代背景、その人生と作品とを突合せながら、読み進めました。 自然災害や疫病、治世の変遷、勢力争い等次々と災難に見舞われる中、心の安寧を探求する姿が、後世の人々を惹きつけてきたように思います。 災害記録文学やミニマムな生活の指南書としても読み解くことができ、多面的な楽しみ方ができます。音読してみると端正な文章が心地よい響きとなり、和歌の名手でもあった長明が選び抜いた言葉の美しさが一層際立ちます。   記:上村